アナと雪の女王を観てきました(ネタばれあり)
こんばんは。先日、「アナと雪の女王」を観て来ました。
感想と勝手な解釈なのですが、ツイッターでネタばれをするのも気が引けるのでこちらで。
いやもう、すばらしかったよ!!ストーリーもよいのですが、映像の美しさと迫力と音楽のすばらしさと、コレはぜひとも映画館で観てほしい作品です。
魔法の秘密のせいで分断された姉妹の物語。隠し事は人を孤独にするものですね。
アナの物語
主題歌のせいで雪の女王エルサが主人公かと思っていましたが、基本的にはアナの物語でした。不遇な環境でも元気に育った愛嬌ある女の子の謎解き冒険ファンタジー。王道です。
アナは絵に描いたような憎めない妹気質です。お姉ちゃんが大好きで、めげない・しょげない・くじけない。お前はガンコちゃんかと。
アナはユニークな仲間を得て困難を乗り越えてゆきます。努力・友情・勝利!黄金期のジャンプかと。
それから、アナはだいぶアホっぽい恋愛体質です。重田カヨコか、と。
テーマソングの「うまれ~て~は~じめ~て~」というのが、とてもいい。10代の少女の、いろんなことが初めてで新鮮でキラキラしている様子が愛らしい。
クリストフに道案内を頼む(命令する?)時の、不自然に高飛車な感じ。おそらく「こういうときは毅然と命令するのよね!お姉ちゃんみたいに!」と頑張ったのだと思います。
そして、かけられた呪いを解くのに「真実の愛」が必要となるのですが、物語はプリンセス物のセオリーである「王子のキス」による救済を、スコーンと否定してきます。小気味よい。最後はもう、健気な一途さの勝利で「アナ、よかったね!ほんとよかったね!」となります。
アナの物語は、満点の★5つでした。
エルサの物語
一方で雪の女王エルサの物語は、もう少し複雑です。エルサの物語はシザーハンズであり、X-MENであり、魔法少女が魔女になる物語です。
アナの物語で「王子のキスの否定」も画期的でしたが、エルサの物語では「魔女の肯定」をしています。これもディズニープリンセス物として画期的なことではないでしょうか。かつて、強い魔女と言えば邪悪なもので、良い魔女は慎ましやかな脇役でした。生まれつき魔力をもつヒロインといえばラプンツエルがいましたが、彼女の魔法は癒しの白魔法であり、物語のラストでは魔力を失って幸せになりました。
一方でエルサの魔法はブリザガです。攻撃魔法です。映画はそんな彼女が魔力をもう隠さないと決めて開放する場面を肯定的に描きます。
あの主題歌ののびやかな開放感と、美しい氷の城がググいとできるシーンの力強さ、エルサが朝日を浴びての不敵な笑み、素晴らしいです。
映画『アナと雪の女王』松たか子が歌う本編クリップ - YouTube
さて、魔力を抑圧しないと決めたエルサですが、制御できないその力は妹を傷つけ国民を困窮させてしまい、エルサ自身もその事実に打ちひしがれます。
ラストはアナとの絆によって魔法をコントロールできるようになるのですが、そこからめでたしめでたしの流れに私は物足りなさを覚えました。なので、エルサの物語は★4つ。
せっかく物語中盤で魔力の肯定を高らかに歌い上げたのだから、最後にもう一声欲しかった。たとえば「この魔女姉妹め」と船から攻撃してくる隣国の軍を、魔力でさくっと撃退する。妹をたぶらかしたけしからん王子を氷の針山に落とすかに見せて、ふわっと雪山で勘弁してあげるわ、フフン、みたいなシーンがあればよかったかなと。その方が国民にも示しがついたんじゃない?
ディズニープリンセス物は、これまでも時代にそってアクティブな女性を描いてきましたが、攻撃魔法を使える女性を肯定的に描くって、ほんとに新しいと思うんです。だからこそ、最後にあの力でスケートでキャッキャウフフだけでは物足りなかった。
つづきます。。
さてさて、あとオラフをめぐる考察とかトロールへの突っ込みもあるのですが、長くなったのでまたのちほど。つづきます。たぶん。
おおかみおとこの罪と罰
こんばんは。今日は録画の「おおかみこどもの雨と雪」に子守をさせつつオットーと大掃除をしていた935です。
SWITCH Vol.30 No.8 ◆ 細田守『おおかみこどもの雨と雪』はこの世界を祝福する
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おおかみこども、自分はいい映画だと思う*1のですが、ネット上では叩く意見*2も多いことになんだろなぁと思っておりまして、モヤモヤを夫君にぶつけてみました。
この映画は、子育ては女の仕事として押し付けたい男の身勝手さの表れた気持ち悪い映画だという評価があるのだけど、どう思う?
「えっ…なんだそれ…」(だよねー)
「っていうか、おおかみおとこが一番哀れじゃん」(ゴミ収集車だもんねー)
「あいつあんな子煩悩っぽいのに、死んじゃって」
「押し付けるも何も、死んだら何もできねーし。ちょー無念だろ」
なるほど。男親目線での「無念」という観点は目から鱗でした。
「子育て」を描いたというこの映画で、男親が序盤であっさり死んでしまう展開に残念さを感じている男性も実はけっこういるのかしら。どうなんだろ?
甲斐性もないのに女房ポンポン孕まして、とーちゃんがうまいもん食わしたる!って飛び出て下手うって死んじゃうって、サイバラ漫画にでてくる駄目なチンピラだよなぁ・・・。
— 935(18歳) (@935) 2013, 12月 20
おおかみおとこ、死んでんのに悪うゆうて正直すまんかった。
余談1.
サイバラを連想したのは、花の「辛いときは笑うことにしている」という話が、ぼくんちの「泣きたいときは笑え!!」と被ったんだよね。あの映画もよかった。また観たい。
余談2.
オットーはそんな話をしながら、先日TVショッピングで衝動買いしたスチームクリーナーで、換気扇の油汚れとの戦いに勝って満足そうでした。
長生きしてください。*3
*1:宮崎駿は『この世は生きるに値するんだ』と伝えたくてアニメを作ったと聞きます。この映画は『命は引き継ぐに値する(どんな訳ありでも、いびつでも)』という生命賛歌だと、私は感じました。
*2:これなんか難癖つけてるとしか思えん http://anond.hatelabo.jp/20131221145625
*3:このオットーはフィクションです。
いきなりホッテントリ!
『共感を求める妻、問題解決したがる夫』ばかりとは限らない -夫婦喧嘩の傾向と対策を4象限で整理してみる - 935のブログ
昨日のエントリーがいきなりホッテントリいただきました。
ありがとうございます。
わかりやすく書きたいと頑張ったので、
わかりやすいというコメントがたくさん頂けてとても嬉しいです。
あと、事例にワロタというコメントも嬉しい。
人をどんよりさせるよりは笑わせる文章を書きたい。
昨日の記事の補足と反省と
・タイトル、「夫婦喧嘩の」というよりは「夫婦のすれ違いの」としたほうがよかったかもしれませんね。実際、すれ違っても喧嘩にならないことも多いし、要求を読み違えなく理解した上で「だが断る!」喧嘩もありますし。
・『共感』の意味が人(業界)によって違うというのは目から鱗でした。自分は『感情の肯定』のニュアンスで使っていました。
・図。こんなに大勢に見られるなら、雑な手描きの図じゃなくて清書すればよかったな…。ださ。
・誤:コミニュケーション、正:コミュニケーション でしたね...。ださださ。
釣果?
夫婦のすれ違い例で、産後のケース以外は「妻/夫」ではなく「配偶者/もう一方」といったユニセックス表記にしているのだけど、読み取れない人が出ると思ってました。どちらに男女を入れてもOKなんですよ?
このブログの今後
ぼちぼちいきます。あまり期待値はあげないでくださいw
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『共感を求める妻、問題解決したがる夫』ばかりとは限らない -夫婦喧嘩の傾向と対策を4象限で整理してみる
「『共感を求める妻、問題解決したがる夫』ばかりとは限らない -夫婦喧嘩の傾向と対策を4象限に分類する-」っていう長文が脳内にあるんだけど、読みたい人いる? 5favされたら週末にUPする。
— 935 (@935) 2013, 12月 6
12favもいただいたので頑張って書いてみるよ。
きっかけはこのツイートです。
夫婦ゲンカの話題で「妻は夫に共感を求めているのです!」って定説のように語られるのもなんだかなぁ。。ケースバイケースだそんなの。つーかウチは逆パターンのが多い。
— 935 (@935) 2013, 12月 2
すごいわかります。なんか妻が「わかるわかるー。大変だよねー。」って言ってもらえば気が済むアホな生き物みたいに語らんでほしい。“@935: 夫婦ゲンカの話題で「妻は夫に共感を求めているのです!」って定説のように語られるのもなんだかなぁ。。ケースバイケースだそんなの。(略”
— こべに (@kobeni) 2013, 12月 2
kobeniさんが食いついてくれてそこそこ反響があったので、もうすこし掘り下げて考えることにしました。
そもそも、共感と問題解決はベクトルの反対側に位置するものじゃないよね?ということで4象限図で整理します。縦軸に[共感が欲しい/共感はいらない]。横軸に[問題解決のために動いて/動かんでいい]として。で、ありがちなケースから順に番号を振りました。
①.共感+問題解決のための行動、両方をもとめているケース
一番多いのはおそらくこれ。家庭のこと子供のこと、基本的に配偶者には共感し行動してもらいたいものです。「産後クライシス」なんてなってしまうのは、このケースの読み違えが多いのではないでしょうか。
例えば産後の妻が密室育児で心身ともに一杯一杯になっている時、あるいは育休から復帰した妻が家事育児と仕事の両立に苦戦している時、妻としてはまず大変な状況について話を聞いて、理解して、共感して、これまでの苦労を評価して、そして負荷を分担して欲しいと期待することでしょう。
妻の期待どおりに満額回答できればいいのですが、夫側も仕事の状況などからすぐには対応できない場合があります。
失敗例
☓ 妻からの「大変つらいので負荷分担を求める」という①のメッセージを、②のただ共感してほしいものと読み違えるケース。「つらい(だから分担して)」「わかった(共感がほしいんだね)」→(わかったっていつも口ばかり!何もわかってないじゃない!)(こんなに共感を示しているのにどんどん不機嫌になっていく。なんなんだよ!)と互いに険悪になります。
セーフな例
△ ①の要求に②しか返せないケースでも、夫側が「共感も行動も求められているのは分かるが、今は共感を示すくらいしかできない。ゴメン」という態度であれば、妻の側も共感を得られた満足感から、もうひと頑張りできる気になるかもしれません。
微妙な例
?? ②に③で答える。夫が問題解決能力が高すぎて共感を示すのが下手なケースです。家事?自動化か外注でいいじゃん?食事?惣菜でもいいじゃん?と解決策が出てくるのはよいのですが、それまでの苦労についての共感や労りがないと、感情面で遺恨が残るやもしれません。寝首を掻かれないように気をつけましょう。
②.ただ聞いて欲しいの。余計なことはしないでいいの、というケース。
苦手だからといって簡単に切れるものではないデリケートな人間関係の愚痴。ややこしい人間関係の中での不毛な感情労働の愚痴を聞いて共感して欲しいというケースや、あるいはデリケートな年齢の子育ての状況についてひとまず情報共有しておきたいケースなどもここでしょう。
「民生委員のXXさんは地域のボスで情報通で面倒見がよくて基本的にはいい人なんだけどたまに変なおすそ分けをくれるのが玉に瑕なのよ、自家製梅干なんていただいても家はほら誰も食べないじゃない?でも迷惑ですとは言えないし」なんていう話は、ただ聞きましょう。そしてソツなく近所づきあいをこなしていることに感謝を示しましょう。場合によっては頂いた食べ物を処分する罪悪感を軽くするような言葉もかけましょう。
失敗例
☓ ②共感だけを求められているのに、③共感せず行動をとるケースです。「なんだ。迷惑だと言えないなら俺が言ってやる」なんて余計な行動です。前半をちゃんと聞いて下さい。
③.共感できなくても問題解決のために動いて欲しい。
家族はチームです。互いに得意なこと苦手なことが違うからこそうまく廻る面もあります。
たとえば部屋の中に虫がいたとき。
虫が苦手でこわくて「どうにかして><」という配偶者に、もう一方は平気でさっと虫を捕まえ追い出してくれれば、win-winというものです。
残念事例
× 夫婦そろって虫が苦手な場合、虫対応の押し付け合いという軋轢が生じます。何でも共感できればプラスとは限りません。
× 虫が苦手という感情を、平気な側が馬鹿にしても喧嘩になります。あるいは虫を片付けてくれた相手に「よく触れるね。気持ち悪い」などと感謝も述べず馬鹿にしても喧嘩になります。互いに共感はしないでも穏やかな理解は示しましょう。
× 共感しないから対応もしない。「虫が苦手なんてわからないよ、こんなにカワイイじゃないか」と虫で遊んでいても喧嘩になります。
④.共感も、問題解決のための行動もいらない。
配偶者は時には一番身近な赤の他人です。身近にいるからわかってしまうし、隠す気はないけどいじって欲しくもない。共感も行動もいらない、という部分も夫婦の間にはございます。
たとえば毒親との葛藤。
配偶者のそういう側面が見えたとき、「ああ、そう」とだけうなずいて放置するのが最適解のケースです。
あるいは配偶者に理解は求めないマニアックな趣味。腐女子だとかダムオタだとか。それぞれ勝手に楽しめる世界があるのはいいことです。あまり干渉しないでおきましょう。
残念事例
× 毒親との葛藤を抱える配偶者に対し、「わかる!君の親は異常だよね!」とうかつな共感を示すと火種になります。毒親とはいえ他人に親の悪口は言われたくないものです。
× 薄い本の所持をカミングアウトはしたものの、読んで感想を述べられたり、一緒にイベントに行きたいと言われても、それはちょっと…。
まだまだケースはあげられそうですが、4象限による整理はひとまず以上とします。
■追記
夫婦間のトラブルって、大体はコミュニケーション不全なのかなと思います。
コミュニケーションの努力はしているのにどうにもモヤモヤが残る、噛み合わない、といった時には、上記の4象限を意識して伝え方・聞き方を工夫してはいかがでしょう。
ここまで読んでくれた方の、コミニュケーションの一助になれば幸いです。
余談。
ここまで配偶者とのコミニューケション不全によるトラブルについて考察してまいりましたが、そもそも何も言われていなくてもそれは駄目!ということも世の中にはございます。
夫婦喧嘩の内情を、一方的な言い分で広く世間に公開する、というのもやってはいけないことの一つでしょう。
ですから本稿の内容も、基本的に一般論ですから。あくまでも「例」です。ex.です。そこのところご理解とご協力とお察しを賜りたく、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
あ、うちは夫婦喧嘩なんてありませんよ?